ひかりかがよう

20世紀の終わりから21世紀の初めの若者たちのことばです!

第4回 繋がり 子どもたちと!

f:id:hakusangogo:20180401184736j:plain

 四回目はハルナさんです。改めて読んでみて、子どもたちとの会話の部分がおもしろいなあと思いました。もうすぐ新学期なんですね。そういう子どもたちの声があちらこちらで聞こえたら、それは老子的世界ですよ。

 

 口で言うのはカンタンだけど、こういう世界はなかなかないんだと思われます。田舎だからこそ成立する話かもしれない。都会ではどうなんだろう。

 

*   繋がり                      H・K
 「こんにちは。」笑って頭を下げる女の子たち私も笑って言った。「こんにちは」
 五月の初め、とは思えないほどの暑さの中、私一人の帰り道。長い長い坂を見上げ、汗ばんだ手を握りしめた。重いペダルを回して使い古した自転車はギシギシ文句を言いつつも、いまだに私を乗せてくれる。

  日は高いままなま暖かい風が髪にまとわりつく。うっとうしさを感じつつ、ふと前を見ると、ランドセルを背負った小学生の列があった。
 何気なく通り過ぎようとした時、小学生の子たちが私に気づいた。
「あ、高校生や。」
「僕、自転車でも追いつけるで。」
 様々な声に「えっ」と振り返ると、低学年らしき子たちが大きなランドセルを揺らして私の後を追いかけて走っていた。内心とても驚いて、その子たちの顔を見つめた。だって私は見ず知らずの人なのに。
 けれど、そんな事は全然感じさせずにこにこ笑っている。私も思わず笑っていた。
「バイバイ。」そう言って手を振ると、その子たちは更に大きな声で「バイバイ。」と言って手を振っていた。

 高学年の子たちに会うと、笑って挨拶をされた。その声を背中に聞きつつペダルをこぐ。いつの間にか重いペダルも、きつい日差しも、うっとうしい風も、なぜか気にならなくなっていた。それよりも私の中はうれしさと温かさが混ざり合って、不思議な気分だった。

 あいさつ、というものは、何でもないようで実はとても重要だと思う。する方もされる方も気分が良くなるし、人の輪も広がる。あいさつは人と人とを繋ぐ架け橋であるのだ。私はこれからもあいさつを大切にしていきたいと思う。

 

 子どもたちに向けた優しいまなざし。だから彼女は保育士さんへの道に進んだのかもしれないです。今は優しいお母さんなのかな。