ひかりかがよう

20世紀の終わりから21世紀の初めの若者たちのことばです!

逃避なんだとわかっていても……

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 おとなしくて何でも「ハイハイ」と答えている彼女にしても、こういう答えが返ってきます。

 すべてを受け入れているわけではない。いや、むしろすべてにノーと言いたい。でも、ノーとは言わないし、イエスと答えてイヤイヤ現実を受け入れていく。

 自然じゃないや。もっとやりたいことをやれ! と言われても、「いえ、とくにやりたいことはないのです。とりあえず今目の前にある課題に黙々と向かいたいのです。そういうふうに答えるでしょう。

 それは彼女だけじゃなくて、たいていの人がそういうふうになっている。

 わざと人に苦しみを与える人は、あまりいません。たいていは善意から少し苦言を言う。本人もわかっている。だから、受け入れていく。

 世の中って、むずかしいです。

 

*   いつか大人になって……                            A・N

 小さい頃想像していた高校生活と現在は全然違う。(現在は)学校生活とか部活とか、やらなくちゃいけないことに追われ、私が考えていた〝女子高生〟とかけ離れている。

 私が小さい頃に想像していた女子高生は、おしゃれで、学校帰りに遊びに行ったり、自由で……。

 実際は、校則や部活に縛られて、何もかも自由というわけにはいかない。たまにこんな生活が嫌で仕方ないときがある。なぜこの学校に入ったんだろうか。なぜこの部活に入ったんだろうかとひたすら考える。

 今、けがや病気で入院したらということも考えた。

 それは一時的な逃避なんだということを、自分でもわかっているのに考えてしまう。こんなことを考えている自分が、悲劇のヒロインっぽいな、なんて思ってみたり……。

 誰かにこの考えを否定されたくもないし、肯定されても何か違うなあと思ったり。いつも考え始めるときりがなくて、結論も出ないから、「もういいや」と思って寝てしまう。

 今思うこと。いつか大人になって、こんな日々もあったな、と懐かしむ日が来るんだろうということ。大人になって今の生活をよく思えるなんて想像しがたいけれど、「やっぱりよかったな」と思うんだろうな、ということ。

 最後に、今の生活の中にももちろん楽しいこともある。何もかも嫌というわけではない。今だからこそ楽しいこともたくさんある。