2008.10.20 1-5の俳句です。残りすべてです!
(Mくんの写真を勝手に使わせてもらっています。済みません。)
資料を探していて、1、4、7、8組の名前は分かりました(わりと簡単に見つけられました)。ところが、どういうわけか5組だけありません。
まさか、どこかへやってしまったんだろうか。それはないはずだから、特別に別のファイルに入れたのかもしれない。
また、家の中をあれこれ探すという作業をしなくてはいけません。永遠の課題かもしれない。とにかく、少しずつ今まで預かった作品を返していくつもりで、探してみます。
31 ストーブで勢いあまって小火騒ぎ
下五の「小火」は「ボヤ」と読んだらいいのかな。わりとよく起こる事件です。
おもしろおかしく伝えるって、何かムズカシイです。
32 泳いでる赤い秋刀魚が七輪で
七輪で焼けているのを「泳いでる」と表現しました。少し微妙かもしれない。
33 さんま焼くにおいの中の帰り道
まさに秋そのもの。でも、世の中って、そんなにうまくできてるかなと、不安になります。「さんま焼く………帰り道」で、中七に違う要素を持ってきてもいいのだと思われます。でも、私もそれができません。
34 七輪で焼いた秋刀魚食べたいよ
これは願望ですね。私も一度くらいしかないかもしれない。
35 母親が秋刀魚残すと父怒る
おもしろいご夫婦だなと思いました。当時は気づきませんでした。これはもっと別のバージョンが作れそうです。「うちの母サンマ残して父怒る」「食べ散らす母のサンマを父は見た」そのまんまですけど、次の展開とかありそうです。
36 食欲が炭火とともに燃え上がる
若者らしい作品。でも、サカナか肉かわからないし、なんだかもったいない。
37 夜の空はかなく消える花火かな
「はかなく」が説明的です。それを言わないで表現する、それが妙味なのかな。
いや、「夜の空」も「消える」も要らないと言われるのかもしれない。それを言わないで何かを表現しないといけないんでしょう。
38 花咲かせ秋の夜空に散る花火
これも不要な言葉を使いすぎと指摘されそうな気がします。
39 消えてゆく花火の光記憶のよう
花火と自分の記憶力を重ね合わせたわけですが、それが理屈っぽいのかな。
40 納屋の奥やり残したる花火かな
「納屋の奥」に花火がしまってあるということなんだろうか。それがどんな意味があるのか、来年もできると思っているのか、やりきれなくて残念だなと思っているのか、わかりにくい気がします。
41 打ちあがり散り去るまでが花火の美
俳句で外国人に花火の説明をしているみたいです。説明になってはいけない、というのはよく指摘されることです。だったらどうしたらいいんだよ? 「何じゃこれ」と読者に思わせなきゃいけないそうです。
42 暗い空満開ひらく花火かな
43 秋の日の夜空に映える花火かな
44 見上げれば夜空に満開花火かな
花火の俳句って、どれも同じになってしまいます。満開だとか、キレイだなとか、ありきたりになってしまう。そんなのわかっているんだけど、つい書いてしまう。花火は恐ろしいテーマです。よほどひねくれ者にならなくては描けません。
45 夏の夜花火の音で窓に行く
46 ドンドンドン心にひびく花火かな
これらは見ていない花火です。音に注目したのはグッド! 行動したのもステキ。それをどう表現するかなんだろうな。
47 花火咲く上がればうれし散り悲し
感情表現は使うなとよく言われます。この句は二つも使っています。でも、この舌っ足らずな感じは貴重です。若さを感じます。でも、ダメ押しされてしまう。
48 火に映る自分を見つめる焚き火かな
「火に映る」というのをも別の表現で書けなかったかな。「火に映る」とは、すごく感覚的なもので、リアルなものではないですね。
49 焚火して過ぎゆく秋を思ひけり
季語が重なっているよと言われるでしょうけど、しみじみした感じはいいですね。今さらながらいい作品だと思いました。
50 手をかざし祖先はあいつ焚き火かな
これは私の打ち間違いなんだろうか。「祖先は熱い」ではないですね。真相が知りたい作品です。
51 寒い中一人さびしく焚火かな
49の作品と似ているけれど、「さびしく」と言ってしまったから、ザンネンな気がします。人って、わがままで、他人のさびしさにスッと入れないようにできています。「秋を思って」る人の方に共感してしまう。困りましたね、人間って!
52 君の頬焚火の色と同じ色
若さのシンボルのような作品です。若い時にしか作れない熱気があります。
53 夜の闇寒さかき消す焚火かな
「夜の闇」を別の言葉に代えてみたり、焚火で寒さがなくなったというのを別の表現にしたり、もう少し工夫できたでしょうか。
54 焚火の中みんなが期待しているよ
期待しているモノは焼きいもでしょうか。おもしろそうなんだけど、モヤモヤするなあ。ああ、俳句って、ことばが足せない。削らなくちゃいけないですから。
55 オレンジの焚き火の温もりほっとする
56 パチパチと焚火を囲んで焼き芋だ
シンプルな作品2つ。カタカナはおもしろいんだけどなあ。
57 寒くても火事へ飛び込む消防士
「熱くても」だったら、標語になってしまうし、「寒くても」というのはどういう状況なんだろう。わからないです。
58 焼き畑の煙がしみる帰り道
そういう農業をしている土地があるんだろうか。ひょっとして畑焼き・野焼きだったのでは? 「帰り道野焼きの煙くぐり抜け」とか、「自転車は野焼きの煙に引き裂いて」とか、あれこれ工夫できそうな気がします。
もうこれで、1-5の作品はおしまいなのか……。何だか残念です。もっと書いてもらえばよかった。