ひかりかがよう

20世紀の終わりから21世紀の初めの若者たちのことばです!

「故郷」について その1

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* 「故郷」について  ……1996年4月

 

 1年生の最初の授業に「故郷(ふるさと・こきょう)」という題名で、ひとこと書いてもらうことにしました。

 

・私にはまだ故郷といえる場所がない。けれど、何十年もすると今が故郷になるかもしれない。

 

・私の故郷はイメージどおり田舎だけど、都会で育った人は町が故郷……。なんか変な感じがします。

 

・私は、自分の故郷は自分でつくるものだと思います。だから、故郷はたくさんあってもいいと思います。

 

 

 

◇ 山と川に囲まれた町よ、いつまでも                   繭美

 

 自分が住んでいる所というのが、故郷ってことなのかなぁ。

と、私は思うわけなんですけど、私の故郷は山と川に囲まれた、良く言えば自然がいっぱいのきれいな町。悪く言えば、周りに何もないいなか町。という所でしょうか。

 

 別にこの町が嫌いとかそういうわけではありませんが、社会に出るようになったら、やっぱり都会へ出ていきたいと思います。いなかから都会へ出ていくってことはとても不安だけど、何か新しいことが見つかる気がするんです。そして、都会で暮らすようになって初めて自分の故郷について見直すことができると思います。

 

 生まれ育った町、それが私の故郷なんだから、その故郷がいつまでも今と同じ姿で残っていて欲しいと思います。ずっと変わらず良い〈ふるさと〉だったら、自分の子どもに、「ここがお母さんのふるさとだよ」って胸張って言えると思うし。

 

 

★ もうこの子ら、40手前です。みんな、どんな「故郷」感を持っているんだろう。

 

 高1の時の彼ら・彼女らの「故郷」、少し続けて載せてみます。繭美さんは立派な看護士として活躍してくれているんだろうな。