ひかりかがよう

20世紀の終わりから21世紀の初めの若者たちのことばです!

お金の価値、わかってる?

f:id:hakusangogo:20180408102131j:plain

 お金の価値、私はどれくらいわかっているんだろう。大変なものであるというのはわかっているつもりです。でも、できたらお金に縛られない、お金と関係のない生活を送りたい、なんて考えてしまう。

 

 何を言っているんだ! お金の価値もわからないヘッポコおやじめ、ちゃんと働け! おまえは甘いんだよ! そう思う。

 

 確かに、日々のお金は大事です。でも、お金に縛られない、お金を使わない生活、いいですね。できるものなら、それをやりたいと今では思うけれど、そんな甘いものではありません。

 

 お金に縛られない生活というのは、ものすごく自分やみんなのために動き回らないと実現しないと思う。私がどれだけ動いているというのです。

 

 そうですね。ちっとも誰かのために動いていない今は、ずっしりとお金に縛られている。理想のために、動き回りたい。さて、何をしよう?

 

 彼は看護師としてがっしりと働いているのかな。そりゃ、だれかのためになることしてるんだもんな。 

 

*   お金の価値                    Y・K

 親に育てられて十六年間、お金を稼ぐということは考えなかった。親が稼いで子どもを養うのが普通だと思っていたからだ。何か欲しいものがあったら、「金ちょうだい」と言っていた。お金がもらえなかったら、すねていた。その時はまだ、お金の価値が全然わかっていなかった。

 中学三年生のとき、ある会社に職業体験に行った。その会社はみんな仲がよくて、仕事も楽しいのかと思っていた。でも、仕事になると無駄口がなくなり、笑顔も少なくなり、仕事だけに集中していた。初めは、その光景に圧倒された。そして、手が動いていないと怒られた。

 仕事が終わると、また仲がよく、笑顔があふれる場所に戻っていた。この日から、「金ちょうだい」とは言えなくなった。

 そして、高校三年生の今、部活も引退して少しだけ自分の時間ができてきた。だから、遊びたい。だけど、お金がない。でも中学三年生のあの日からは、自分から言ったことはなかった。

 その時、友だちにバイトを勧められた。初めてお金を自分で稼ぐということを考えた。そして、面接に行き、働き始めた。勉強とバイトの両立はすごくつらい。でも、自分の中のお金の価値が急上昇した。無駄使いがなくなり、親に感謝することが増えた。

 お金のことばかり言うといやらしい人に思うけど、お金の価値がわかるからこそ、人のことを考えられると思う。[2007年6月]