大切な当たり前
* とても大切な当たり前 R・T
私は、どんどん成長するごとに、家族と昔のように会話をすることがなくなってきました。
小学校の頃は、今日あったことや、今晩のご飯の話など、毎日家族全員で話していました。話は尽きなかったし、家族全員で盛り上がっていました。自分の話が済んだ後は、弟の話を聞いて盛り上がっていました。それが当たり前でこれからも続いていくと思っていました。
中学校に入学して一人で寝るようになって、「一人」の時間が増えてくると、親と話すことも少しずつなくなっていきました。弟は今日あったことなどを毎日報告していましたが、私は毎日はしなくなっていきました。でも弟の話を聞いたり、それについて話すことは楽しかったです。
そうしていくうちにどんどん私は今日あったことを家族に言わなくなっていきました。それだけじゃなく親と話すことが少なくなっていきました。なんだか話すのも嫌になってきてしまいました。それでも、親は話しかけてくれました。でも、それすらも嫌になってきました。
そしてどんどん悪い方へいってしまいました。親と話す度に反発してしまい、けんかばかりしていました。そんな自分に腹が立ちながらも、けんかばかりしていました。そんな時が続いて、中学三年生になると、ようやく私も落ち着いてきました。親と反発することは少なくなり、今日あったことを話すようになってきました。なんだか、小さいときに戻ったみたいで、楽しくなりました。
家族とは当たり前のように側にいて、当たり前のことを一緒にしているけど、その当たり前がとても大切だなって思うようになりました。 [2007年6月]
★ 大切なことに気づけた彼女は、高校三年生でした。そうして、やっと自分の道を少しだけ見つけられたのかもしれない。
私たちは、ミスもするし、やたらと落ち着かない時もあるかもしれないけれど、ちゃんともどれるところ、それが家族なのかな……。