ひかりかがよう

20世紀の終わりから21世紀の初めの若者たちのことばです!

人のために働く

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*   人のために「働く」                I・N

 

 私は実は、自分の父の仕事が何なのかを全く知りませんでした。自分の小さい頃は、父は朝早く出かけて、夜は十二時ぐらいに帰って来たと思うと、ここ何年かは朝も遅く、夜も早く帰って来るようになりました。私が父に「どのような仕事をしているのか」と聞いても、説明すらわからなくて、最終的に自分から「もういいよ」と言って話を終わらせていました。

 

 昔からこんな感じで、今では何の関心も持たなくなっていました。しかし、本当に今日、四月十六日の朝、車の中で父の仕事が何なのかを知ることができました。その理由は(昨日)地震が起きたからです。父はずっと電話をかけて、「……市の被害状況の資料を回せ」とか、「……に連絡しておいて」とか、たくさんの人に指示を出していました。電話が終わった後、もう一度昔した質問をしてみました。

 

 すると、地震などの自然災害の時に、道路などの管理や、救援物などをどこに届ければいいかの情報を集めて、またその情報を上の方に回していると聞きました。そういえば、私の小さい頃帰りが遅いと書きました。そのころ、阪神淡路大震災とちようど同じころだったことを思い出しました。

 

 私の父は、自然災害の時ほど外に出て行かなければならない仕事をしています。働くということは、すごく大変な事なんだと思いました。

 

 今まで私が思っていた「働く」というイメージは、お金をもらうためだと思っていました。けれど今は、人のために「働く」というイメージに変わりました。

                             [2007年6月]