2001年の俳句甲子園 - ひかりかがよう

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＊　二年連続の俳句甲子園（2018年8月）

　県予選は三チームだけ。その中から二チームが松山へ行けるということなので、エントリーした時点で出場は決定していました。今回は、相可と宇治山田商業が県の代表になります。そして、8月17日金曜日16時40分、松山市の野外研修センターにわたしたちは到着。標高の高いところで、何やら高原の風のような、やさしい風が吹いていました。

　前回、高校生同士の交流の時間がほとんどなく、そこが大いに不満でしたが、今回は着いたその時から、あちらこちらで高校生たちが話をしていたり、走っていたり、汗をかいてたりしていて、「あっ、違うな」と感じました。開催行事・チーム紹介・ゲームなどが行われ、翌日の本大会への雰囲気は盛り上がっていきます。

　青森から熊本までの24チーム。准看護婦をしながら定時制高校に通っている子、大きなリボンがついてる夏服を着た千葉の子たち、文芸部でコツコツやってるよと言わんばかりの集団、Ｔ大進学者数を誇る男子高生、昨年準優勝の地元高校、甲子園でおなじみの香川の高校などさまざまで、この若者たちが明日からどのような大会にしてくれるのか、見ている自分も楽しみになりました。

　8月18日、松山市の繁華街の会場での一次リーグ。ワールドカップのようにリーグ一位になったところがトーナメントを上がっていく形（前回はトーナメントのみ）で、うちはＡリーグ。東京の開成高校、千葉の茂原高校、地元の北条高校の組でした。

第一試合は、対開成。
　　相可・雨止んで泉奏(かな)でる水の歌（Ｍ　あゆみさん）……水の音が聞こえてくる一句。
　開成・泉くむ幼き少女の白いそで（Ｍ田こういちろうくん）……少し作りすぎ？

　さて、懸命に自分たちの気持ちや勉強してきたことを述べて一本先取。
　

次は取られて、つづく三本目は、
　　相可・雲切れて泉におちる月のふね（Ｙ田りえさん）……表現がシャープ！
　開成・透きとおる泉と君に降る光（Ｉ十嵐弘樹くん）……光源が不明で少し変？これも二対一で取る。あと一つ取れば一勝というところで、二本取られ逆転を許す。

第二試合、千葉の茂原高校との対戦も二本取ってあと一つという後半に逆転される。
これで二敗。一次リーグでの敗退が決まるが、三試合めの北条高校戦は全勝する。

　この日の夕方、谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)さんという詩人と、その息子さんでピアニストの賢作(けんさく)さんのコンサートに参加。国語の教科書にも出てくる詩人を生で見ることができて、こりゃ幸せだなと思っていると、宿舎に帰るバスの中で、敗者復活をかけてコンサートをテーマに一句作りなさいと言われ、何とか提出に間に合わせ翌日の復活にかける。

　8月19日、先ず敗者復活戦。うちは「睡魔(すいま)来て詩もそこそこに夏の夢」（Ｎ古雅文くん）で舞台に登場。観客・審判から笑いを取り、「オッ、受けた！」と期待したものの、結局「舞台からこぼれる言葉星月夜(ほしづきよ)」の伯方(はかた)高校が復活し、うちは個人賞待ちになります。

　大会は準決勝・決勝があって、「起立礼着席　青葉風(あおばかぜ)過ぎた」ほかの句で個人部門でも最優秀賞を獲得した神野紗希(こうの　さき)さんの松山東高校が優勝する。神野さんは昨年の大会でもキビキビとした言葉・態度で、すごい若者だなと思ったものでしたが、一年の間に若々しい感性と、大人としての視界の広さと、後輩を思いやる気持ちを自然に出せていて、ものすごく成長したなぁと、他校生ながら大いに感心しました。

　そして、うちは優秀賞（全体で5人だけ）に「ふるさとの月万緑を眠らせる」でＮ古くん。入選（10名）に「青田波次の駅には君がいる」でＭさんの二人が入り、地元に帰ると新聞などにも2人の名前が載ったりしたものでした。

　さて、相可チームをここまで引っ張ったのは、連続出場のＩ上ゆうこさん。彼女の「夏帽(なつぼう)の傾いている野菜畑(やさいばた)」の句には、自己の生活から詩を生み出そうとする意気込みがありました。

　あともう1人、いつもメンバーに気を配るＦ野ゆうだいくんは「友人がながめていたる蛇の殻(から)」などで、日常から隠れているもののこわさを取り上げてくれていたのですよ。

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